監督の声

指導論1


今回は自分の指導に対する考え方や実行していることを少し書きたいと思います。これはあくまでも僕個人の考え方や取り組み方なのでご了承ください。

そもそも指導者の役割は、関わっている人(サッカーの場合は選手たち)が成長するためのサポート役であると思っています。人を成長、向上、変化などをさせようと思っていてもその本人にその意思がなければ非常に難しい。一番僕が大事にしていることは選手たち自身が成長、向上したいと本気で思えるようにどれだけしてあげれるかです。それも一人二人ではなくチーム全体、もっと言えばクラブ全体としてそういう雰囲気をどれだけ作れるかが重要になってくる。

サッカーをやりたいと思ってクラブに通っているのであれば、その時間は思いっきり本気で取り組む。ミスやうまくいかないことは全く問題ではなく、練習だったら練習、試合だったら試合を本気で取り組む。それだけで間違いなく成長するしさらなる向上心が芽生えてくる。

本気で成長したい選手が集まるグループは自然とお互いを要求しあうようになる。サッカーについてはどんどん選手間で言い合ってほしいし、プレーに対して要求し合ってほしい。そこで間違ってはいけないのは、人に対しての文句にならないこと。あくまでもプレーに対しての要求であり、人を責めるような言い方をしてはいけない。重要なのは受け取る側の受け取り方と言う側の責任感が非常に大事になってくる。要求する方はそれだけ責任感が伴う。相手に何かを要求するということは自分自身がそれをできていないといけない。要求される側は文句として捉えるのではなく、要求されたことを真摯に受け止めプレーで返せるように取り組まないといけない。そいうことをきちんと理解した上でどんどん要求やディスカッションをしてほしい。サッカーの技術や戦術以上もしくは同じくらい選手が成長、向上するにはこういうことが重要だと自分は考えています。そして高槻FC全体として、サッカーをやる時は一生懸命本気でやる!!遊ぶ時は思いっきり遊ぶ!!勉強もやる時はきちんと取り組む!!そんな雰囲気をクラブとしては作りたい。メリハリつけてやる時はやる!!そういう集中力やスイッチの入れ方ができるような指導を日々心がけてます。

子供が集中できる時間や環境は限られています。大人でも高い集中力を保って取り組むのは頑張っても2時間だと言われています。自分自身選手時代でもプレシーズン以外は2時間以上のチーム練習をしたことがないし、ブラジルでもない。むしろ90分ぐらいがベースだった。J下部組織での指導でもそれは一緒だった。当然町クラブは海外クラブやJクラブとは環境や求められることも違うのは理解しているし、同じ町クラブでも環境や目指していることは違う。個人的に長い時間トレーニングすることが全て悪いわけではなく、そこで得られるメリットとデメリットのバランス感覚を指導者は持たないととても危険だと思っている。選手も指導者も長時間やれば、やった感は出やすいし体力的にもメンタル的にもやりきったと思い込みやすい。でも一番大事なのは効果がどれだけ出ているのかであって、短時間で高強度のトレーニングの方がより実戦的であり効果が出やすい時もある。

結局は全て状況判断になるのかな。選手にそれを求めているのに指導者ができなければ話にならないし、目の前の選手たちに取ってその時その時必要だと思われることをより効果的に指導できなければただのサッカー経験者がアドバイスしているのと変わらない。だからこそ指導する立場にいる人は様々な引き出しを持たないといけないし、自分が経験してきたことだけにとらわれすぎることはとても危険だと思う。

人を成長、向上、変化させるサポートをしようとするのであれば、自分自身が成長、向上、変化する努力を日々していないと本当の役には立てない。サッカーを通じて人の成長に関わる指導者は日々のスキルアップ精神と責任感をきちんと持たなければならない。どの立場であれ自分を高めることが絶対的に必要だということを常に忘れず、指導者として選手一人一人の役に立てるようこれからも努力していきたいと思う。

”自分の知識や経験なんか大したことない”

現役引退して指導者になった時から常にそう思って取り組んでます。指導させてもらいながら選手たちから学ぶことの方が多い。本当に選手たちに感謝ですね。

 

岸本 武志